近世後期の好古・考証研究の源流と展開に関する学際的国際共同研究

研究代表者

中井真木(明治大学特任准教授)

研究分担者

小林ふみ子(法政大学文学部教授)

グラムリヒ=オカ・ベティーナ(上智大学国際教養学部教授)

研究協力者

マルガリータ・ウィンケル(ライデン大学)

プロジェクト内容

 18世紀後半から19世紀初頭、日本の知識階級では、実際のモノの観察や、モノのスケッチと註釈を通した実証的研究が盛んにおこなわれ、好古趣味が流行した。

 この好古・考証の潮流は、近代的人文学の萌芽として、また当時の特徴的な思潮として、近年注目を集めているものの、例えば伝統的な故実研究や蘭学的興味との影響関係、ほぼ男性のみで行なわれていた活動のジェンダー構造、あるいは同時期の西洋や中国における好古趣味とのグローバルな比較等、追究すべきテーマは多く残されている。また、国内と国外の間での研究成果の共有も充分に進んでいない。

 本計画では、個別の事例研究と、日本伝記データベース(JBDB)を利用した文人・考証家の人的ネットワークの追跡、そして国内外の研究協力者との学際的共同研究を通して、近世後期における好古趣味・考証研究の特徴を探る。

 なお、本計画は2022-2024年度科学研究費助成事業(基盤研究(C)、研究課題番号:22K00863)の助成を受けたものである。