内藤繁子(1800−1880)のコレクションにみる知の交差

プロジェクト代表

グラムリヒ=オカ・ベティーナ(上智大学国際教養学部教授)

データベース構築

ボルン 礼於

プロジェクト作業統括

浅野友輔(上智学院ソフィア・アーカイブズ業務受託者)

プロジェクト内容

グラムリヒ=オカ・ベティーナによる本プロジェクトは、内藤繁子[充真院、1800–1880]のコレクションにみる知の交差について取り上げる。江戸に生まれた内藤繁子は、大名の娘、姉、そして妻であり、1860年代に参勤交代が停止ののち廃止され、江戸を出ることを求められるまで、定住生活を送っていた特権階級の女性たちのグループに属していた。江戸時代後期における最高位の女性による記録への希少なアクセスにより、あまり知られておらず文書化されていない、彼女たちの生活の特質を解明する手がかりを得ることができる。

研究目標

内藤繁子のコレクション(自身の著作と彼女の手による書写作品を含む90タイトルから構成)は、多層的な「アンサンブル」を提示してくれる。この思想やテクストの生産者・消費者の集合体は、内藤繁子個人の知識へのアクセスや、より広いコミュニティとのつながりを示している。彼女の地位と女性としての立場がコレクションの内容に与えた影響を調査することは、本プロジェクトの目標のひとつとなる。