大日本帝国における衛生専門家たちの学問的紐帯

プロジェクト代表

Anatole Bernet (PhD candidate)

Sciences Po Center for History (Paris)

プロジェクト内容

本ネットワーク分析は、日本における 「衛生的近代(hygienic modernity)」(Rogaski; 2004)の誕生の一環として幕末までに出現したアカデミック・エリートに注目し、最初の医学博士の起源と、明治前夜の日本社会における彼らの交流の様相について調査するものである。当プロジェクトでは、人的結合のみならず、個人が新たに創設されたさまざまな組織とどのような関係にあったのかについても考察する。

研究目標

本プロジェクトは、衛生エリート界隈において、健康という媒介を通して既存の貴族的な内婚制が存続し、それが組織的・学問的枠組みへの所属に基づく新しいタイプの親族的な忠誠と結びついた点を明らかにすることを目的としている。加えて、この新たな衛生エリート・ネットワークが、明治維新から日中戦争に至るまで、大日本帝国の衛生政策にどの程度の影響を与えたのかについても評価したい。